EPISODE
17
『もう諦めているんだよ』
その寂しそうな笑顔に、希望を取り戻す。
自立支援介護
92歳 (女性) O様 /ウェルケアテラス氷川台
2021.12.31

「もういいんです、諦めていますから」

自立した生活を送られていたものの、心不全による長期入院をきっかけに要介護状態となった92歳のO様。退院後、在宅での生活が難しくなり、ウェルケアテラス氷川台へご入居となりました。
ホーム入居時には生活全般において介助が必要な状態までADL(日常生活動作)が低下し、表情も乏しく、「もういいんです。諦めていますから。」といった言動もありました。

O様の状況改善のために、ホームが取り組んだこと。

生活に対する意欲の向上を目指し、体力と活動力をつけるために自立支援介護の4つの基本ケア(水分・食事・排泄・運動)を実践しました。
■水分
心不全により水分制限があったため、心不全の症状の有無と体重管理を行うことを訪問医に上申し、摂取量の上限緩和に努めた結果、水分量が増加しました。
■食事
流動食を召し上がられていたO様。入れ歯の状態を確認すると適合状態が悪かったため、まずは歯科受診し、新たな入れ歯を作りました。完成後は咀嚼練習を行い、その結果、流動食から常食へと食形態の向上が図れました

口に出された”ご自身の希望”

基本ケアによってADLも向上し、徐々にご自身を取り戻されたO様。歩行訓練の一環としてスーパーまで行った際、「何を買いたいですか?」とお伺いすると、「おまんじゅうが食べたい」とのこと。
ご入居時は生活全般に諦めの言葉が聞かれていたO様ですが、新しく出来上がった入れ歯で咀嚼練習を頑張られたのは、やはり奥底には「美味しいものが食べたい」という希望をずっと持っていたからなのでしょう。
ご自身でお会計を済ませ、ホームに戻られたあと、笑顔でおまんじゅうを召し上がっていらっしゃいました。