EPISODE
24
家族で囲む食卓を再び。
自立支援介護
84歳 (男性) V様 /ウェルケアガーデン馬事公苑
2022.07.15

一縷の望みをかけて…

2021年4月、ご自宅の階段より転落して脊髄損傷となり、四肢麻痺(左右の手足全部が動かない状態)、気管切開、胃ろう、排尿障害による膀胱留置カテーテルとなったV様。ご自身の世界がいきなり変わってしまったこともあり、「元気になる」という希望をすっかり閉ざされてしまいました。
しかし、V様のご家族は、病院から「これ以上改善されることは難しい」と言われつつも諦めず、ほんの少しでも状態が良くなることを切望され、V様はウェルケアガーデン馬事公苑にご入居となりました。

目指せ!経口摂取による体力アップ!

まず、ご本人の意欲を向上させることを念頭に置き、ケアプランを作成。
意欲は体力に下支えされて向上するものです。ご自身が好きなものを3食口から食べられるようになれば栄養量が上がって体力がつき、安定した体調を維持できると考え、歯科医師と連携して常食化を最優先で進めました。
同時に、普通椅子に座ること、活動量の増加、覚醒を下げる睡眠薬の中止などを進めていきます。
最初は職員3人がかりでも立位が保てない状態でしたが、V様の「歩きたい」という願いを叶えるために、職員が連携し、根気よくリハビリを続けていきました。
そして、半年が経過しました。

一歩ずつ、でも着実に改善していきました。

脊髄損傷もあり、絶対に無理だと諦めていた歩行に挑戦。なんと4人介助で10m程度歩くことができ、V様自身も大喜びで自信がついたご様子でした。
また、食事面でも食べ物の飲み込みを確認するVE検査を難なくクリアし、ほぼお一人ですべてのお食事を召し上がられることができるようになりました。食べたいものを食べる喜びが生まれ、面白いことも沢山言ってくださるように!大好物の鰻も完食されました!

「もうほとんど治りました、昔とおなじ父です」

その後もリハビリを重ね、ご入居から10カ月経過―――。海外にお住いのご家族が会いに来られ、念願の外食を楽しむことができました。
娘様からは、「もうほとんど治りました。歩けないこと以外は怪我する前と変わらない父です。いつも冗談ばっかり言って、大勢でわいわいすることが大好きだったんですよ。」と大変嬉しいお言葉をいただくことができました。