EPISODE
05
既往症と疼痛によるリハビリ嫌いから、
「生まれ変わった気分」の喜びの毎日へ。
リハビリテーション
85歳 (女性) E様 /ウェルケアガーデン久が原
2021.06.02

テニスを楽しみ、自活されていたE様。認知症を皮切りに、多数の傷病や疼痛に悩まされ…。

ご主人様が亡くなられた後も、一人暮らしをされながらテニスを楽しまれるなど元気にお過ごしだったE様。しかし、次第に物忘れや動作緩慢が目立つようになり、病院での検査の結果、レビー小体型認知症との診断を受け、認知症の症状抑制薬であるアリセプトの服用を開始されました。しかし、薬の副作用で排尿がうまくいかず、それが原因で尿路感染症をおこして入院。排尿のための尿道バルーンを挿入することになりました。入院中のCT検査では肺塞栓症、深部静脈血栓症が発覚。その時点で両脚の他動時痛、全身の筋力低下、歩行困難の症状も見られました。リハビリテーション専門病院に転院しましたが、E様はリハビリを拒否され、私どものホームにご入居されることになりました。

「痛いことはやりたくない。」と、疼痛によってリハビリを嫌がられる日々。

病院からの情報では「背中や両脚に強い筋緊張が見られ、関節の可動域に制限がある。安静時に痛みはないが、接触時に激痛を訴える。原因は不明。」とのこと。 ご入居時はリクライニング車イスを使用され、排泄はおむつ、ウロバッグ(排出した尿を溜める袋)を使用し、お食事以外は全介助で生活されていました。リハビリについては「痛いことはやめてください。やりたくない。」と毎日のように仰って、積極的ではありませんでした。

そっと床に足を付ける、立ち上がる、2,3歩歩いてみる。無理なくリハビリを開始。

嫌がるE様には通常のリハビリプランは通用しません。どうしたら痛みに対する恐怖を和らげ、リハビリに前向きになっていただけるかを考え、最初は足を床にそっとつける練習から始めました。それに慣れると、スタッフ数人で身体を支えて立ち上がっていただき、両脚に体重をかける練習へと移行。そしてU字歩行器を使用してスタッフ2人が身体を支えながら2、3歩ゆっくり歩いてみるという風に、無理のない範囲で進めていきました。 するとご入居後1~2か月の間に歩行距離は5歩、10歩、3m、10mと伸びていきました。並行してパワーリハビリも開始。両脚の円滑な動作を促す訓練を続ける中、ご入居後3か月で100mの連続歩行が可能になっていました。歩行訓練とパワーリハビリによって身体機能が向上したことにより、ウロバッグも外すことができ、約1年後には小型歩行器を使用して自立歩行ができるまでになりました。

「一度はすべてを諦めた私でしたが、ホームに入って救われました。」

その後も機能訓練を継続し、現在では歩行器を使わず歩かれ、階段での昇降訓練も行っています。普段は他のご入居者と談笑したり、アクティビティを楽しまれながら過ごされ、「昔のようにテニスをするのは難しいけれど、テニス仲間に会いたいです。」と意欲的なお言葉も聞かれます。「さまざまな症状や痛みに苦しんで、一度はすべてを諦めてしまった私でしたが、皆さんに救われました。生まれ変わったような気分です。」と現在ではホームでの生活を心から楽しまれているご様子です。