EPISODE
18
300日ぶりのチーズケーキセット!!
リハビリテーション
91歳 (女性) P様 /ウェルケアテラス川口元郷
2021.12.31

ご入居に至るまで

80歳まで現役の薬剤師としてご勤務されていたP様。2019年に屋外で転倒骨折されご入院となり、その後リハビリ病院に転院し歩行訓練を受けておられましたが、独居のため退院後の生活が困難になることから、同年ウェルケアテラス川口元郷へご入居となりました。
 ご入居当時はふらつきがとても強く、「歩いたら転んでしまう」という不安から、過度な安静をとられていました。そして、ご入居から2週間後。転倒もされていないのに左坐骨の骨折が判明。医師によると「骨粗鬆症が進行しており、日常生活の動作でも起こりうる“いつのまにか骨折”」とのことでした。

ケアプランの見直し

骨粗鬆症は、特に女性の高齢者に多く、骨密度が低下し、骨がスカスカになることによってわずかな衝撃で骨折してしまうこともあります。高齢になるとともに向き合わなければならない病気です。
消極的ケアで「いつのまにか骨折」を引き起こしてしまったホームのスタッフは、P様のご入院中にケアプランの見直しを行い、退院後すぐにP様の骨粗鬆症とうまく付き合いつつADLを上げるための積極的なアプローチを実践しました。

骨粗鬆症とうまく付き合いながら、リハビリスタート。

P様とコミュニケーションを深める中で、歩きたいと思っていることやパンがお好きということがわかり、「ホームの近くにある美味しいパン屋さんに行く!」という目標を立て、リハビリがスタートしました。
リハビリは、週2回のパワーリハビリ、1日2回の屋内歩行、1日1回の屋外歩行を実施。
体力的に万全ではないP様は横になりたがることも多かったのですが、「起きる目的」としてピアノを弾いたり、日めくりカレンダーを作ったりと、徐々に日々の楽しみを増やしていきました。
パン屋さんへ歩いていこうと挑戦するも、体力が持たず途中で引き返すことも多々ありました。ですが、P様は諦めず、やり続けました。やり続ければ長く歩けるようになると信じて…。

自分の足で歩き、自分が食べたいものを選ぶ喜び

そしてとうとう、リハビリ開始から約2か月後に、念願のパン屋さんへ歩いていくことができました!
イートインで、ご自身の好きなものを選ばれます。
P様が選ばれたものは、大好きなチーズケーキセット。
目を閉じて、味わいます。
「ここまで自分で歩いてきた」というエッセンスも加わり、更に美味しく感じられたのでしょう。
ホームに戻られてからも、「楽しかったし、美味しかった。ホームから連れ出してくれてありがとう」と素敵な笑顔でお話しされていました。