ご夫妻でご入居されるも、ホーム内での交流も少なく、静かにお過ごしでした。
奥様は気管切開の手術をされたのを機に、他のホームから24時間看護サービスのある私どものホームに転居されました。ご入居当初は体力的にもベッドから起き上がって生活されることが難しく、ほとんどお部屋で過ごされていました。お声がけするとお返事される程度で、自発的な発言もほとんどありませんでした。
ご主人様はご自宅で自立生活されていましたが、転倒骨折により入院。退院後は奥様と一緒の生活を希望され、ホームへご入居されました。ご入居時は車イスでしたが、リハビリによって杖で歩かれるまでに回復。しかし、転倒への恐怖心から屋外で歩くこと嫌がっておられました。ホーム内でも奥様に会いに行かれる程度で、お部屋からもあまり出ることはありませんでした。
ご主人様はご自宅で自立生活されていましたが、転倒骨折により入院。退院後は奥様と一緒の生活を希望され、ホームへご入居されました。ご入居時は車イスでしたが、リハビリによって杖で歩かれるまでに回復。しかし、転倒への恐怖心から屋外で歩くこと嫌がっておられました。ホーム内でも奥様に会いに行かれる程度で、お部屋からもあまり出ることはありませんでした。
ご夫婦のご趣味だったダンスをきっかけに、地域との交流を楽しむ毎日へ。
F様ご夫妻は、お元気な頃はダンスをご趣味とされていました。お部屋に閉じこもりがちなお二人でしたが、周囲の方々との交流を楽しまれるようになったのもダンスがきっかけです。
奥様には、お部屋以外で過ごす時間を増やしていただくために、ご自身の趣味だったダンスや生け花などのアクティビティへの参加を促しました。ご主人様はホーム内でのダンスには参加されており、地域主催の体操教室などにも参加したいとのお気持ちはありました。しかし車イスの奥様は参加できないなど条件が多く、気遣いもあって二の足を踏まれている状態でした。
ホームでの生活の幅を広げるためにも、地域とのかかわりは大切です。しかし、地域の活動に参加するには様々な規制があり、初めは知り合いもいないことから、F様ご夫妻だけでなく、他のご入居者もなかなか参加に結びつかない状況でした。そこで、ホーム主体の地域サロンを立ち上げることに!F様ご夫妻にもお声がけすると、ホームのスタッフや他のご入居者が多数参加することを知り、「それなら安心できる。ぜひ参加したい。」とお二人で参加し、ペアダンスを楽しまれました。
その後のお二人の生活ぶりが教えてくれたのは、地域交流にホームがかかわることの大切さでした。
奥様はまだお一人での外出は難しいものの、車イスを自走して移動できるようになりました。また、地域サロンへの参加を通してホーム内での顔見知りが増えたことにより、他のご入居者とのおしゃべりを楽しまれるようになりました。
ご主人様は地域サロンへの参加を通して外出への自信を取り戻し、お一人でコンビニ等へお買い物に出かけるなど行動範囲がぐんと広がりました。
お二人ともご入居当初とは違って笑顔が増え、いきいきとした表情で毎日を過ごされています。ホーム内だけでなく広く地域とつながることで生活の幅も広がり、もう一度趣味を楽しもうという余裕も生まれたようです。通常のケアだけでなく、生活をさらに豊かにするサポートとして、ホームによる地域交流の重要性に気付かされたエピソードでした。