『私のうちに帰りたい』~ヒルズスタイル~
ウェルケアヒルズ馬事公苑にご入居されたのが約3年前のS様。
ご入居当初から都内にあるご自宅のことをずっと気にされ、『自宅に帰りたい』と日々切望され過ごされていました。
食事や水分が摂れない日が続き、体調を崩されることもありました。
そこでご親族の方とも相談し、「帰宅は今がラストチャンスかもしれない」また「大好きなお寿司なら、食べれるかもしれない」と考え、今回ヒルズスタイルを利用し、かねてからのご希望であった一時帰宅と外食を実現することになりました。

介護タクシーで約1時間の旅でした。
ホームからスタッフと一緒に乗り込み、現地でご親族と合流しました。車イス乗車の為、道中腰のつらい様子が見られましたが、無事にご自宅に到着しました。
まず、旅の疲れを取るために20分程休まれました。ご自身が長年使っていらっしゃったベッドで久しぶりに横になり、きっとお疲れが取れたことと思います。
休憩後は体調も回復され、ご自宅の中を車イスにて回られました。ご自宅のお気に入りの場所(部屋)で、飾られていたご家族との懐かしいお写真を眺めていらっしゃいました。表情もほぐれ、想い出の品を手に穏やかな時間が流れていたように見えました。


ご自宅を後にし、予約したお寿司屋さんへ向かいました。
今度は腰のつらさは見られず、車内でもとてもスッキリとした表情をされていました。
お寿司屋さんに入るとS様は急にシャキッと気持ちが入り、ご自身で醤油を準備し、お箸を持ち、食べたいネタを選ばれていました。普段は持つことが難しいお寿司屋さんの重い湯呑も震える手で持ち、熱いお茶を口へ運ぼうとされていました。とにかく重い湯呑でしたので、スタッフが手を添えようとすると、「いいわよ」と仰り、お寿司もお一人で召し上がることができました。
そして、嬉しいことに、ほとんどお食事が進まなかったS様がなんと5貫も召し上がりました!震える手でゆっくりゆっくりと味わいながら、実に美味しそうに召し上がられていました。
ご親族の方は、その様子を温かく見守られていました。


そして現在、なんとS様はお食事が摂れるようになりました!
覚悟を決めたあの日から一転、顔色や表情も良くなり、笑顔も増え、まさにフェニックスのような復活!ご自身のやりたかったことが達成できたことでお気持ちが前向きになり、原動力のきっかけとなったことを実感します。
私たちはそのお手伝いが出来たことを本当に嬉しく思います。











