EPISODE
19
認知症の改善~混乱と不安の毎日からの脱却~
認知症ケア
79歳 (女性) Q様 /ウェルケアテラス新座
2022.01.18

混乱や不安からくる強い介護拒否

2010年に幻覚・認知症症状が出現し、レビー小体型認知症の診断を受けられたQ様。特別養護老人ホームにご入居されていましたが、パーキンソン病の発症や転倒骨折でのご入院を経て、2017年10月にウェルケアテラス新座へご入居となりました。

ご入居当初のQ様は非常に痩せており、おむつをしたままの寝たきり状態で、お声がけしてもほとんど反応がありませんでした。

当時の認知症症状としては、日中はぼーっとした状態で、小声で「やめてください、やめてください」と言ったり、言葉にならないようなことをぶつぶつと話し続けておられました。
また、着替えや車いすへの移動をスタッフがお手伝いしたり、飲み物を勧めたりすると、「何すんの!」「やめて!」と大きな声を出してスタッフをつねったり、怒り出したりするなどの強い介護拒否がありました。
夜間には大きな声で「おかあさーん」と叫び、興奮状態となっていることがほぼ毎日続いていました。

認知症だから仕方ないの?

これらの症状は「認知症だからしょうがない」ということではありません。
Q様は認知力が低下したことで、ご自身が置かれている状況を正しく認知できずに、強い混乱と不安を感じていらっしゃったのです。
そこで私たちは、Q様の認知力を高めるために、水分・食事・排便・運動の4つの基本ケアに取り組みました。

水分摂取量を増やすために、元々どんな飲み物が好きだったかなどをご家族にお聞きしながら、飲み物の種類や量、温度やタイミングを工夫しました。
最初は顔や視線が下を向いてなかなか前に進めなかった歩行訓練も、毎日続けることで歩くことを思い出し、歩幅は狭いものの、スムーズに足を出すことが出来るようになりました。

自分がどこにいて、何をしているか、わかるようになった!

そして、認知症ケアを開始して4か月目には夜中大きな声で叫ぶ症状は見られなくなり、半年後には「1人でぶつぶつ話し続ける」「いきなり怒り出す」「介護拒否」の症状はすっかり見られなくなりました。
ご入居当初は常に混乱と不安の中でお辛そうだったQ様でしたが、今では、スタッフが「歩いて運動しましょうか?」と声をかけると、「そうですね。やりましょうか」とはっきりと答えてくれるまでになりました。
ホームでの生活を、これからもお楽しみください♪